民間資金で公立校改築へ 中城村 PPP/PFI検討 一括事業でコスト削減


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中城中学校の整備が予定されている中城村役場の新庁舎付近=2020年12月、中城村(小型無人機で大城直也撮影)

 【中城】中城村は老朽化が進む村立2小学校と1中学校を、民間の資金や知恵を活用する「PPP/PFI」方式で改築することを検討している。一括事業でコスト削減などを図ることが狙い。村事業で同方式を採用するのは初めてで、さらに公立学校を建設するのは県内初とみられる。

 PPPは「パブリック・プライベート・パートナーシップ」の略で、公共と民間が連携してサービスを提供する。PFIは「プライベート・ファイナンス・イニシアチブ」の略で、公共施設の整備や運営を効率的に行うPPP手法の一つ。

 建設を予定しているのは、建設から37~44年がたち老朽化している中城小と津覇小、中城中の3校。

 村が3月にまとめた基本計画書によると、3校改築の概算事業費は、90億6700万円(税別)。文部科学省の補助金や地方債などの活用も検討するとした。2021年度は、事業者選定で必要となる実施方針などを作成する。

 早くて中城中の設計業務が22年末から始まり、完成は26年中を計画する。現在の面積では、文科省指針に合った整備が難しいとして、新しい村庁舎がある周辺へ移転する計画。21年度の村一般会計予算には、移転先の土地購入費として6億2千万円を計上した。津覇小は23~24年に設計を始め、26~28年の完成を想定する。中城小は27年に設計、29年の完成で調整中。

 村が県内外の事業者21社へ1月に実施したアンケートでは、事業に「積極的に参加したい」のが10社で、「参加したい」は3社と半数以上が肯定的だった。アンケートは中城中と隣接する旧庁舎の跡地利用も尋ねた。村は旧庁舎と同中の跡地へ企業誘致し、地域の生活の質を向上させたい考えもある。一方、開発が規制される「市街化調整区域」であり、事業者から「建物の計画などに制限があり、市場性が低い」との懸念の声もあった。
 (金良孝矢)