「事業承継」成功させるには 8割が後継者不在の沖縄 総合事務局が動画配信


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事業承継に関する動画「事業者編」の一場面(沖縄総合事務局中小企業課提供)

 沖縄総合事務局経済産業部は15日から、動画投稿サイト「ユーチューブ」で、「事業承継」を呼び掛ける動画配信を始めた。

 動画は2種類あり、「事業者編」では、県内でM&A(第三者承継)を成功させた事例として、デイゴホテルの宮城勝前社長と、南西観光ホテル・デイゴホテルの大田誉代表取締役のインタビュー映像を交え、「経営者の責務」に焦点を当てている。

 「有識者編」では、愛知大の打田委千弘教授ら研究者のインタビューを基に、事業承継の解説や経営者の役割を紹介する。

 民間調査会社の調査によると、2020年の後継者不在率は全国65・1%に対し、沖縄県は81・2%と全国で最も高い。県内の後継者不在率の高さについては、代表者に事業承継に関する意識が低いことや、周知活動の不足が指摘されている。

 沖縄総合事務局中小企業課の太田浩一課長は「新型コロナで廃業の急増が懸念される。経営者に『事業承継は重要な経営課題の一つ』ということを認識してほしい」と話した。

 事業承継に関する相談は、沖縄県事業承継・引継ぎ支援センター(電話)098(941)1690。
 (中川廣江通信員)