米軍「洗濯施設」106億円かかった理由は…防衛相が説明


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米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)

 【東京】政府が米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)内で仮移設した洗濯施設に約106億円の費用がかかったことについて、岸信夫防衛相は30日の会見で、「国道58号の拡幅を一日も早く実現するために移設する必要があった」として、理解を求めた。仮移設が必要となった一因として、本来の移設先である嘉手納弾薬庫知花地区で施設の配置計画を見直すことになり、「移設に一定の時間を要することが見込まれている」ことを挙げた。統合計画で早ければ2025年度とした、牧港補給地区東側の返還時期が遅れる可能性を示唆した。

 防衛省によると、従来の洗濯施設は1954年に建設され老朽化が進んでいた。機器のメンテナンス場所を拡張したり、作業員が通行する通路を広げたりと、現代の安全水準に合わせて規模が大きくなったとし、岸氏は「新たな機能を付加したわけではない」と強調した。

 防衛省によると、施設は鉄骨造で一部鉄筋コンクリート造だ。全てが鉄筋コンクリート造のものに比べ解体しやすいという。また、駐車場の整備費や既存の洗濯施設の解体費も含んでいるとした。

 岸氏は仮移設した洗濯施設の使用は「一時的なものと考えている。長期的な使用を想定した施設ではない」と語った。一方、早ければ25年度となっている牧港補給地区の返還時期は「現時点で予断を持ってお話しすることは差し控える」と述べるにとどめた。