沖縄戦戦没者の遺骨が含まれる可能性のある土砂を名護市辺野古の新基地建設の埋め立てに使わないよう求めて、3月に東京の首相官邸前でハンガーストライキをした宜野湾市出身の金武美加代さん(47)=東京都=が1日、県庁前でハンストを始めた。動画やSNSで発信しながら「県民は十分闘っている。県外の人にこの問題を知ってほしい」と訴える。
この問題を訴えて県庁前でハンストをした沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんの熱を絶やしたくないと、金武さんは3月8日から23日間、官邸前でハンストをした。「沖縄の人はもう手いっぱい。本土の人に動いてほしい」と訴え、その後も泊まり込みでの「寝座り込み」を続けた。沖縄戦遺族など多くの人が訪れ、メディアの取材も続き、交流と発信の場になったという。
金武さんは4月16日、玉城デニー知事が土砂の採掘を禁止する措置命令を見送った会見の映像を見て「居たたまれなくなった」と官邸前から空港に向かい、沖縄へ来た。土砂の採掘現場などを視察し「ここから発信したい」と県庁前に腰を据えた。日本軍による壕からの追い出しなど、父から戦争体験を聞いて育った喜屋武幸容(ゆきひろ)さん(47)=那覇市=も「自分も思いを行動で示したい」と加わった。
ハンストは7日までだが、14日まで県庁前で「寝座り込み」を続ける。ハンスト中は休養が必要なため「午後1時から4時の間に訪問してほしい」と語った。