平和発信の地で聖火ランナー 祖母への思い胸に 18歳の高専生が感じた重み


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亡き祖母を思いながら聖火をつなぐ中村英誠さん=2日、糸満市の平和祈念公園

 小学生の時に広島、中学生で長崎を訪れ、被爆者の話を聞くなど平和学習を続けてきた沖縄高専3年の中村英誠さん(18)。糸満市出身の中村さんは、同市の平和ガイド育成事業に参加した経験もあり、沖縄戦の体験を語り継ぐことに強い思いがある。「平和発信の地である糸満で、平和の火をつなぐことができてよかった」と喜んだ。

 「本当は走る姿を祖母に見てほしかった」。沖縄戦体験者の祖母、伊敷シズ子さんは2年前に89歳で亡くなった。疎開のために乗った船は、米潜水艦の魚雷攻撃で沈没した対馬丸の後ろを走行していたという。「聖火をつないだように、祖母の話をしっかり語り継いでいきたい。思いがさらに強くなった」

 コロナ禍での開催で、ランナーに選ばれた人の中には、苦渋の選択で辞退した人もいた。応援に駆け付けることができなかった人も多い。「だからこそ、トーチは重く感じた。今回の体験を今後にしっかり生かしたい」と語った。