国民投票法改正案が6日の衆議院憲法審査会で可決されたのを受け、県選出の国会議員の反応は賛否が分かれた。今国会で成立する目算が高まったことで、改憲議論はさらに加速する見込みとなり、国政与党の自民党議員は「極めて重要な第一歩」と歓迎した。これに対し、国政野党議員の一部はコロナ禍の中で法案可決を急いだ与党の姿勢を批判。「平和憲法をないがしろにする動きだ」などと反発の声も広がっている。
問題残る欠陥案
赤嶺政賢衆院議員(共産) 与党案は、最低投票率や公務員の運動の自由などの問題を残したままの欠陥法案だ。法案成立を改憲のステップにすることは許されない。コロナ禍だからこそ現憲法を生かすべきだ。
改憲策動に反対
照屋寛徳衆院議員(社民) いかなる理由があろうと改憲策動には反対である。国民投票法改正案は問題点が無数にあるザル法だ。今、国民世論が求めているのはコロナ対策で改憲手続きの整備ではない。
憲法改悪許さぬ
屋良朝博衆院議員(立憲民主) 国民投票法改正案の賛成は個人的には残念な思いがあるが、ここまで採決を食い止めたのは野党共闘の成果。今後とも平和憲法の改悪を絶対に許さない運動を強めていきたい。
民主主義を担保
西銘恒三郎衆院議員(自民) 憲法改正に向けた極めて重要な第一歩。憲法改正は国民一人一人の最終判断により成立するか否かが決まる。その上において国民投票法は民主主義を担保する重要な法律といえる。
修正案を含めた
国場幸之助衆院議員(自民) 投票所に入れる子供や洋上投票の対象拡大など投票機会を増やす内容や、最大野党の修正案を原案に含めた経緯など、国民全体の総意が求められる手続法改正として歓迎したい。
堂々と憲法議論
宮崎政久衆院議員(自民) 憲法も法のひとつとして時代の変化に応じて改正が行われるべきだ。そのために国民参加の手続法とする本改正には賛成。国民を信頼して正々堂々と憲法の議論を行うべきだ。
国民の評価注視
下地幹郎衆院議員(無所属) 改正案への国民の評価を注視したい。改憲を問う国民投票には「投票率50%以上」の規定が必要だ。また、下地幹郎は「教育の完全無償化」を憲法に書き込むことに全力を挙げる。
戦争できる国に
伊波洋一参院議員(沖縄の風) 安倍・菅政権が目指す「戦争ができる国作り」に向けた憲法改正だ。米中対立を背景とする「台湾有事」が議論される中、平和憲法をないがしろにする動きを大変懸念している。
「法の支配」誤解
高良鉄美参院議員(沖縄の風) 中国脅威やコロナを根拠に改憲の必要性が論じられることに危機感を持つ。「法の支配」を正しく理解せず、人権軽視や不適正手続きが横行する中で改憲手続きなど言語道断だ。