県内客9割、想定上回る イーアス開業1年


県内客9割、想定上回る イーアス開業1年
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 大和ハウス工業(東京)が昨年、豊見城市豊崎にオープンした大型商業施設「iias(イーアス)沖縄豊崎」は来月19日に1周年を迎える。新型コロナウイルスの影響で、初年度の売り上げは、当初目標の約半分の約100億円にとどまる見通しとなった。一方で、開業時は来店者の7割を県内客、3割を観光客と想定していたが、観光客が伸び悩む中、県内客が9割超を占めた。南部近隣を中心とする県民の来店が想定を上回った。

県内客が増えている沖縄アウトレットモールあしびなー=6日、豊見城市豊崎

コロナで売り上げ減も下支え

 同社グループ会社が運営する「沖縄アウトレットモールあしびなー」との連携も奏功し、イーアスだけでなく、あしびなーを訪れる県内客も増加した。2020年10~12月までのポイント会員の売り上げは前年同期比微増となった。

 両施設を運営・管理する、大和情報サービス(東京)SC運営部九州・沖縄エリアの田中宏樹総支配人は「これまでインバウンド(海外客)の恩恵が多かったが、コロナ下で、会員のような固定ファンの下支えがあった」と、県内での浸透に手応えを示した。

 現在、イーアス沖縄豊崎にはテナント130店舗が入居しており、初年度のテナントの入れ替えは1~2店舗に抑えた。

 あしびなーには昨年、英高級ブランドの「バーバリー」が県内初進出した。一方、今年1月末にテナント10店舗が契約期間満了に伴い、退店した。テナントの入れ替えはゴールデンウイーク前に終了するのが通常だが、新型コロナの影響で出店担当者の来県が難しいため、新店舗の開業は約2カ月遅れの6月にずれ込む見通しとなった。
 田中総支配人は「アウトレットモールはブランドをそろえることが販促につながる。今後もブランドの集積に努めていきたい」と強調した。その上で、「イーアスにはこれまで南部の地元客が多かったが、今後は店舗の魅力のPRを強化し、中北部の県内客にも来てもらいたい」と話し、県内需要の喚起を続ける姿勢を見せた。

(呉俐君)