20年度県経済「後退した」 消費や建設も弱含み りゅうぎん総研


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 りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は7日、2020年度の県経済の動向を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、消費関連や建設関連が弱含み、観光関連は1年を通して弱い動きとなった。県内景気について「後退した」と総括し、19年度の「拡大の動きに一服感」から下方修正した。

 【消費】百貨店売上高は新テナント開店や改装などで集客を図るも、前年度比35・9%減となった。スーパー売上高(既存店ベース)は住居関連や衣料品は減少したものの、巣ごもり需要に伴い食料品が増加し、全体で同0・2%増だった。新車販売台数は同4・2%減で、前年の消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動などを受けた。電気製品卸売販売額は同4・0%減で、白物家電が好調に推移したが、業務用製品の需要が減って前年度を下回った。

 【建設】公共工事請負金額は前年度比0・1%減だった、前年の大型文教施設建設などの反動で市町村発注が減少した。建築着工床面積は居住用が下回った影響で同9・6%減。新設住宅着工戸数は同27・4%減の10335戸で、特に貸家は前年度より3138戸減少した。建築受注額は同28・5%増。建設資材関連は、民間工事の引き合いが弱く減少した。

 【観光】度重なる緊急事態宣言発令などの影響で、入域観光客数は前年度比72・7%減の258万3600人で、1988年度(241万1700人)以来の低水準だった。外国人客はゼロだった。県内主要ホテルの稼働率は22・3%で、同46・2ポイント低下した。売上高は同68・5%減、宿泊収入は同68・8%減だった。主要観光施設入場者数は同78・9%減だった。