IUCN、やんばるの生物多様性を評価 環境省が勧告概要を発表<沖縄・奄美 世界遺産>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新緑が広がるやんばるの森=3月20日、国頭村(小型無人機にて喜瀨守昭撮影)

 ユネスコの諮問機関、国際自然保護連合(IUCN)は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録の妥当性について、国際的にも希少な固有種に代表される生物多様性の保全上、重要な地域であることから「記載基準に合致する」と認めた。評価結果の概要を環境省が発表した。

 概要では要請として四つの事項が示された。(1)特に西表島について、観光客の収容能力と、影響に関する調査を実施し、観光管理計画に統合するまで上限を設けるか、減少させるための措置をとる(2)希少種の交通事故死を減少させるための取り組みを検証し、必要な場合は強化する(3)可能な場合は包括的な河川再生戦略を策定する(4)緩衝地帯の森林伐採を適切に管理し、あらゆる伐採を同地帯の中にとどめる。

 勧告の要旨は今後、IUCNにより発表される。

 政府は2018年、「生態系」と「生物多様性」を評価基準に挙げていた。IUCNは生態系については、推薦地が分断されていることなどを理由に「評価基準」に合致しないと断じ、米軍北部訓練場の返還地が推薦地に含まれていないことなどを指摘していた。今回、政府が返還地を追加するなど、指摘に対応したことに「推薦を修正した努力を賞賛する」と評価した。