琉銀2期ぶり減収減益 3月期、与信費用が増加


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 琉球銀行(川上康頭取)は13日、2021年3月期連結決算(対象子会社6社)を発表した。国債等債券売却益などが減少し、売上高にあたる経常収益は前期比8・7%減の572億7800万円となった。算定手法の見直しで与信関係費用が増え、経常利益は同44・4%減の38億4400万円、純利益は同47・9%減の25億7900万円になり、2期ぶりの減収減益となった。

 銀行単体では、経常収益が前期比12・0%減の373億7700万。経常利益は同57・3%減の22億9500万円、純利益は同59・7%減の16億1600万円だった。本業のもうけを示すコア業務純益は、同10・8%減となる59億8700万円だった。

 与信コストでは、債権回収ができなかった場合に備える一般貸倒引当金について、複数のマクロ経済指標を基に将来の予想損失額を算定する「フォワードルッキングな引当(FL引当)」を導入。導入による一般貸倒引当金が20億5200万円増え、利益を押し下げた。

 川上頭取は「新型コロナによる景気悪化は予想を上回ったが、貸倒引当金を含め備えはできている。次年度以降の業績に対するダメージはあまりないのではないか」と語った。

 貸出金平均残高は、新型コロナウイルス関連の資金繰り支援などで前期比3・0%増の1兆7660億5200万円。利回りは1・49%と同0・05ポイント低下した。預金平均残高も同9・3%増の2兆4364億2800万円となった。

 1株当たりの年間配当金は前期比10円減の25円としたが、22年3月期は20年3月期と同額の35円を予定している。

 22年3月期の連結業績は、役務収益増加やFL引当による与信コストの反動減が見込まれることから、経常収益が前期比1・7%減の563億円、経常利益が同71・7%増の66億円、純利益が78・4%増の46億円を見込んでいる。