新型コロナウイルス感染拡大に伴う那覇空港の国際線停止や事業悪化を受け、海外航空会社3社が沖縄路線から撤退したことが12日、分かった。沖縄関係の国際線を運航する航空会社で構成する那覇空港国際線航空会社連絡会(潘彦霖代表幹事)によると、キャセイドラゴン(香港)、イースター航空(韓国)、エアアジアX(マレーシア)が那覇空港から既に事務所を撤退させ、同連絡会からも脱会した。
エアアジアXは、那覇―台北―クアラルンプール線を2020年1月に新規就航したばかりだった。キャセイパシフィックグループは事業再編のため昨年10月にキャセイドラゴンの運航廃止を発表し、ソウル―那覇を運航していたイースター航空は会社更生手続きを申請した。
構成社数が18社となった同連絡会は、12日に県議会の赤嶺昇議長を訪ね、那覇空港の国際線の運航再開に向けた環境整備を要請した。航空会社が沖縄路線を優先的に復活できるよう、旅客便運航費用への助成と那覇空港の検疫体制の早急な整備を求めた。
1年以上、国際線の運休が続く中でも、那覇空港の賃料が毎月16万円かかる事務所もあるといい、拠点の維持が厳しい状況となっている。また、空港検疫で陽性者が見つかった場合の対応フローや受け入れ病院が決まっておらず、運航再開に向けた体制整備が急務となっている。
香港エクスプレスの大兼連理氏は「助成や環境整備が整っていれば、沖縄路線を優先して路線復活しやすくなる」と語った。