感染急増の母国インドのため 医療用酸素を生成できる簡易装置開発 OISTのバンディ准教授


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マヘッシュ・バンディ准教授が開発した2種類の酸素濃縮装置。左が大型、右が持ち運び可能な小型の装置(OIST提供)

 インドで新型コロナウイルス感染者が急増し医療用酸素が不足していることを受けて、沖縄科学技術大学院大学(OIST)のマヘッシュ・バンディ准教授=インド出身=は4月下旬、医療用酸素を生成する手作りの装置2種類を開発し公表した。

 インドでは救命治療に必要な酸素タンクの価格が10倍にまで高騰していることから、バンディ准教授は一般的に入手しやすい業務用エアコンプレッサーやエアフィルターなどを使った大小二つの装置を設計した。

 大型装置は1分間に100リットル強、持ち運びできる小型装置は1分間に9リットルの酸素を生成できる。新型コロナの重症患者は毎分約5・15リットルの酸素を必要とする。

 装置は空気中の78・1%を占める窒素を除去することで、酸素の濃度を95%まで濃縮する仕組み。ゼオライト(分子のふるい分けをする人工化合物)が入った2種類のシリンダーの間を空気が行き来することで、ゼオライトに窒素分子を付着させて除去する。

マヘッシュ・バンディ氏

 装置を公表後、インドの企業や研究チームから製作と出荷を開始したと連絡があったという。バンディ准教授は「失われたかもしれない命が装置によって一人でも多く救われれば、努力のかいがあった」と話した。装置の作り方はhttps://groups.oist.jp/nnp/oxycon