参加者を100分の1に縮小しても…5月15日に問う「復帰の内実」


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アピール文を採択し、ガンバロー三唱する「復帰49年目の内実を問う5・15アピール行動」参加者=15日午前、北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧ゲート前

 5・15平和行進実行委員会(委員長・山城博治沖縄平和運動センター議長)は15日、北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧ゲート前で復帰の内実を問う集会を開いた。例年、沖縄が日本復帰した5月15日前後に開催してきた「平和行進」が新型コロナウイルスの影響で2年連続中止となったための代替策。大幅に規模縮小し実行委加盟団体代表ら約40人が参加した。基地負担の象徴である在沖米四軍調整官事務所に向かい「巨大な米軍基地撤去を」などと声を上げ、島の平和を願った。

 例年、平和行進の後は「平和とくらしを守る県民大会」を開いていたが、今年はいずれも中止となった。昨年は新型コロナの影響で全面中止となり、アピール文の発表だけだった。一方、来年は復帰50年の大きな節目になることもあり、2年連続の全面中止を避けるため、実行委は今年は何らかの形でアピールすることを模索した。感染対策を講じながら、例年の100分の1程度の人数に絞って集まった。

 集会では米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還、辺野古新基地建設の撤回、オスプレイの撤去・新たな配備計画反対、東村高江のオスプレイパッド撤去、先島への自衛隊ミサイル部隊配備撤回など8項目の実現を求めるアピール文を採択した。

 平和行進は、1972年に沖縄が日本復帰した後も「変わらぬ基地の島沖縄の内実を問い直す」ことを目的に、78年から行われてきた。例年、全国や県内各地から3千人以上が参加し、県内各地を歩き、基地問題の解決や憲法問題などを訴えた。昨年は新型コロナの感染拡大で初の全面中止。今年はコースを短縮し、参加者を実行委加盟団体200人程度に絞るなど、規模を縮小して実施する予定だった。