コロナ労災66件、昨年11月より急増 医療従事者の申請が増加か


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 仕事中に新型コロナウイルスに感染したことによる労災補償の認定が、県内では4月30日時点で66件(うち1件不支給)に上ることが、沖縄労働局の集計で分かった。昨年11月10日時点の3件と比べて急増した。

 同局労災補償課によると、4月30日時点で109件の申請があった。昨年夏から11月10日時点の申請件数は30件だった。

 同課は「傾向的には昨年の秋以降に請求が出ている」と述べた。その上で「申請時期は県内の流行状況と一致するかは分からない。広報や周知活動を強化してきたので、(申請件数の増加に)効果もあっただろう」と分析した。

 一方で、申請個人が特定される恐れがあることを理由に、労働者の業種を公表していない。連合沖縄の東盛政行会長は「感染者とかかわる医療従事者の危険度合いが一番多く、医療現場からの申請が多いかもしれない」と推測した。

 東盛会長によると、感染者に対する職場からのパワハラも増加しているといい、「労災補償を申請すると、辞めさせられる恐れがあるため、労災申請しない人もいるのではないか。申請する前に解雇されている可能性もある」と指摘。労災補償申請件数は、労働者が置かれる実態を全て反映していない可能性を指摘した。沖縄労働局労災補償課は「仕事でコロナにかかった人については、給付の対象になるので、引き続き申請してもらいたい」と積極的な申請を呼び掛けた。