「国王の食パン」が人気! いまいパンと真地自治会、識名園に共同売店


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国王の食パン

 【那覇】沖縄県那覇市真地の識名園駐車場にこのほど、パン・菓子店の「いまいパン」(市真地)と真地自治会が共同運営する売店「王朝食パン 識名園」がオープンした。こだわりの高級食パンを販売し、午前10時の開店から午後2時ごろには売り切れるほど好評だ。

 いまいパンは今井陽介さん、あいこさん夫妻が経営する。識名出身のあいこさんにとって、琉球王家の別邸だった識名園は「子どもの頃から誇りで、もっとPRしたかった」という。市が募集した識名園の売店運営者に真地自治会の共同企業体で応募して決定された。

 当初、市長賞に輝いたお菓子を観光客向けに販売する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で観光客は激減した。「毎日食べるパンを売れば、地域の人も来園するのではないか」と路線を切り替えた。格式ある場所にふさわしい物をと1年掛けてこだわりの高級食パンを開発した。

「王朝食パン 識名園」を運営する今井あいこさん(前列左)、今井陽介さん(後列中央)と真地自治会の役員ら=4月22日、那覇市真地の同店

 観光が回復しない中、周囲は出店を心配した。しかし「活気がなくなった識名園を盛り上げたい」というあいこさんらの決意は揺るがなかった。今年3月末に開店した。

 販売するパンは「国王の食パン」と「王妃のぶどうパン」の2種類。国王の食パンは、こうじで引き出した優しい甘みと、もっちりとした食感が特徴だ。王妃のぶどうパンは県産黒糖と最高級のレーズンをたっぷり使っている。

 瑞慶覧長信自治会長は「売店を通して真地の知名度が上がり、活性化できたらいい」と期待した。陽介さんは「パンを作ることで一緒に街おこしをしたい」と意気込んだ。

 営業時間は午前10時~午後5時半(10~3月は午後5時まで)で、売り切れ次第、閉店する。定休は水曜日。問い合わせは同店(電話)098(961)3233。緊急事態宣言を受けて識名園は5月26日から当面休園するが、売店は営業を続ける。