新型コロナウイルス感染症の流行に歯止めがかからず、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)しているとして、沖縄県は政府に対して沖縄を緊急事態宣言の対象地域に加えるよう要請する方針を18日、固めた。県関係者への取材で分かった。現在、県内16市町を指定している「まん延防止等重点措置」に基づく営業時間の短縮要請に応じない事業者に対して、措置命令や20万円以下の過料を科すなどの対応にも近く踏み切る。飲食店などへ酒類の提供停止を要請する措置は見送る。
宣言地域への指定について県の部長らは同日、経済団体に意見聴取した。出席者によると、各団体から賛否の意見があったが、おおむね容認したという。19日に改めて新型コロナ感染症対策本部会議を開いて、正式に方針を決定する。
沖縄振興の要請で上京した玉城デニー知事は18日、西村康稔経済再生担当相と面談し、県内の感染状況について意見を交わした。玉城知事によると、西村氏は、まずは措置命令や過料を科すなどの強い対応が必要と指摘した。その上で宣言地域への指定も「視野に入れていく」と述べた。
西村氏の見解を受けて、県幹部らは同日夕から幹部会議を開いて対応を協議した。この日、過去最多の新規感染者数168人が確認されるなど、感染拡大が続く状況を踏まえて、早急に対応する判断に傾いた。宣言地域への指定は、政府の基本的対処方針分科会が協議、決定する。
県幹部は「要請しても駄目だったら北海道の例に倣って『医療非常事態宣言』を出し、県民に強いメッセージを打ち出していかないといけない」と語った。