本年度のクロマグロ漁が終了へ 沖縄県の漁獲可能量95%に達する見込み


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水揚げされたクロマグロ=2020年6月4日午前0時、那覇市の泊漁港

 沖縄県は18日、県が管理するクロマグロ漁獲可能量の95%に達する可能性が高まったとして、クロマグロの採捕停止命令を出した。19日から7月31日まで、大型クロマグロの漁獲はできなくなる。クロマグロの漁期は4~7月だが、本年度のクロマグロ漁は事実上終了となる。

 停止命令に違反した場合には、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が適用されることがある。

 県に割り当てられたクロマグロ漁獲可能量は前期(4~7月)分で189.9トン。18日現在の漁獲量は175トンで、前期可能量の92.2%に達した。18日までに漁獲したクロマグロの水揚げは可能。本年度の県への割り当ては203.6トンだが、残りは後期(8月~来年3月)分と誤捕獲時の留保枠となる。

 大型クロマグロの国内漁獲量は、中部太平洋まぐろ類委員会で定めた枠内で制限されている。日本への割り当て分を各都道府県に配分している。本年度の県への割り当ては当初127.2トンだったが、14日に他県での昨年度繰り越し分などの配分があった。

 県は2018年度から漁獲可能量を「知事管理量」として設定し、19年度からは枠を越えそうな際には採捕停止命令を出している。19年度は5月17日付、20年度は6月5日付で命令が出ている。いずれも漁期を2カ月程度残し終了となった。

 崎原盛光県農林水産部長は18日「漁業を継続し、来期の漁獲枠を確保するためにも重要な取り組みだ」と協力を呼び掛けた。