南大東で粟國オペラ♪ 開拓120周年記念 粟國淳さん、父・安彦さんの故郷で演出


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オペラの出演関係者らと記念撮影する村民ら=5月15日、南大東村多目的交流センター

 【南大東】南大東島開拓120周年・村制施行75周年記念事業で粟國淳さんの南大東島オペラ公演「泥棒とオールドミス」が15日、南大東村多目的交流センターで上演された。演出は粟國淳さん、出演は、指揮が仲田淳也さん、ソプラノが黒島舞季子さん、平山留美子さん、宮城美幸さん、バリトンが仲本博貴さん、ピアノが大城伸悟さん。躍動感あふれ迫力ある演技力で展開され、観客を高揚感に包んだ。

 淳さんの父は、世界的に有名なオペラ演出家・安彦さん(南大東島出身)。淳さんは東京で生まれ、2歳で安彦さんと共にイタリアに渡った。

 淳さんは南大東島で9歳の頃に数日過ごしただけだが、「まるでホームタウンにいるような気持ちだ。自分のルーツは南大東島だとずっと思っていて、このことが心の安心や力になった」と話した。

 上演内容は1930年代のアメリカの小さな町を舞台にした、メノッティの傑作コメディオペラ。ブロードウェイで上映され大ヒットとなったこのオペラを安彦さんの日本語訳により上映した。

 ミス・トッド(黒島さん)とミス・ピンカートン(平山さん)は独身。昔裏切られた男の話に花を咲かせながら退屈な一日を過ごしていたところ、放浪者ボブ(仲本さん)にミス・トッドとお手伝いのレティシャ(宮城さん)は恋をする。新聞に載っている凶悪犯の特徴がボブにそっくりで、恋の行方も絡めて物語が展開する。

 上演後には淳さん、仲田さん、黒島さんがオペラの演出や魅力について対談し、縁があって南大東でオペラができたとした。鑑賞した池田七花さん(小5)は「歌の迫力があってすごかった。日本語だったので内容もよく分かって楽しかった。自分もオペラで歌う人になりたい」と語った。

(池田羊子通信員)