米軍統治下の沖縄、森口豁さんが銀座で写真展「平和な島になると思ったが…」


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写真展「米軍政下の沖縄 アメリカ世の記憶」について語る森口豁さん=東京・銀座のわしたショップ

 【東京】ジャーナリストで元琉球新報記者の森口豁さん(83)=千葉県=の写真展「米軍政下の沖縄アメリカ世(ゆー)の記憶」が、東京・中央区の銀座わしたショップ本店で開かれている。31日まで。

 森口さんは1950年代から半世紀以上、沖縄問題を報道し続け、「沖縄を語る一人の会」を主宰。写真展は、沖縄の日本復帰記念日の5月15日に合わせて始まった。

 57年の春、沖縄を訪れた18歳の森口さんが糸満町(現糸満市)で撮影した屈託のない笑顔の子どもたちをはじめ、名護の七曲がりをわが物顔で走る米軍戦車(60年)、米軍キャンプ・シュワブができて街の様子が変わり始めた辺野古後原(57年)、米軍機が飛ぶ下で黙々とハディグワティマッティ(八月まつり)の祭事を行う久高島の神女たち(63年)、中城城跡の石門の上に立って沖縄戦作戦地図を見ながら「沖縄戦史」研究を行う自衛隊幹部候補生(66年)など、30点を展示している。

 森口さんは「沖縄は復帰すれば基地がなくなり、平和な島になると思っていた。核抜き本土並みがスローガンだったが、復帰後も米軍基地は残った。今回、2枚だけ復帰後の米軍の写真も展示した。復帰前と何も変わらない沖縄の基地負担が今もある」と話した。
 (山川夏子首都圏通信員)