フェラガモとコラボ…革靴職人が名護に工房 イタリアで20年、東村出身の宮城さん


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「足に合わない靴は病気のもと。手入れしながら長年履くオーダーメイド靴の良さを知ってほしい」と語る宮城健吾さん=18日、名護市の「靴工房カステッリーノ」

 【名護】革靴の本場イタリアで20年間腕を磨いた靴職人の宮城健吾さん(44)=東村出身=がこのほど、帰国して名護市大東に「靴工房カステッリーノ」をオープンした。現地から取り寄せた革を使い、オーダーメード靴の魅力を伝えている。

 宮城さんは2000年、24歳でイタリアに渡り、老舗工房での修行を経て04年、北部のボローニャに工房を構えた。腕が認められ、高級ブランドの「サルヴァトーレ フェラガモ」とコラボレーションするなど実績を重ねた。

 昨年7月、「やるべき事はできた」という達成感と「両親が元気なうちに」との思いから帰国し、12月に工房を開いた。コロナ禍の船出だが、イタリア時代からの県内の固定客に加え、最近は興味を持って来店する客も増えつつある。

 靴作りは全工程手作りで1足に約8カ月かかる。こだわりはグラデーションを出す染色だ。丹精込めて仕上げた靴を顧客が「ぴったりだ」と喜んだ瞬間、やりがいを感じるという宮城さん。「足に合った靴は包み込むような履き心地で、気持ちが引き締まる。手入れして革を“育てる”楽しみもある」と魅力を語る。

 妻の三重さん(49)は「イタリアの雰囲気を味わいに、気軽に訪ねてほしい」と呼び掛けた。

 オーダーメード靴は約20万円から。マスクなど小物販売のほか、乳児用靴の作製体験もある。問い合わせは同工房(電話)0980(43)5556。