今季のCSを通して常にチームを先頭で引っ張ってきた岸本隆一が序盤から密着マークを受け、後半でファウルトラブルに陥ったが、キングスには頼れるポイントガードがもう一人。「彼(岸本)の思いはすごい伝わっていた。なんとかチームを勝たせたかった」。自らを奮い立たせてコートに立った並里成だ。
「強度を上げて、守備で我慢しよう」。劣勢に立たされた第3Q、積極的に声を出して仲間を鼓舞する。自らも千葉のエースガード富樫勇樹らに最後まで強度の高い守備を仕掛け、攻撃でもチームトップの6アシストでゴールを演出した。
結果は悔しい敗退。「向こうがハングリーに戦ったことが勝敗を分けた。悔しい思いが強い」と唇をかむ。終盤は自身のパスミスが増え、一気に突き放されて「自分の力不足だった」と言葉少なに語った。
31歳となり、チームではベテランに入る。日本リーグ(JBL)、旧bjの両リーグでは優勝も経験した。「キングスはみんな優しいけど、勝負の世界は優しいだけでは勝てない。心を鬼にして、仲間に言わないといけない時もある。尊敬し合えるチームをつくりたい」。悲願のファイナル進出に向け、プレー、精神の両面でレベルアップを図るつもりだ。