土地規制法案で宮崎氏「住民の不安解消」 赤嶺氏は反論「基地被害者を監視」 衆院委質疑


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 【東京】衆院内閣委員会は26日、自衛隊や米軍の基地など安全保障上重要な土地の利用を規制する法案の審査を続けた。沖縄関係で自民の宮崎政久氏と、共産の赤嶺政賢氏が質疑に立った。宮崎氏は土地利用に一定のルールを設けることは「重要施設周辺の住民の不安を適切に解消することにもつながる」と意義を強調。赤嶺氏は法案が「(基地から派生する騒音などで苦しむ)被害者を、加害者として監視する性格がある」と問題視した。必要性を巡り意見が対立した。

 宮崎氏は法案への関心が高く「法案に疑問を持つ方も少なからずいる」と、防衛施設が集中する県内世論を説明した。法案の必要性については「(基地機能を阻害する)事実が発生してから法律を作るのは、泥縄式の対応だ」と述べ、問題が発生する前に法整備する必要があると訴えた。

 法案とりまとめの背景に関連し、規制の対象とする機能阻害行為が過去に発生したかについて、政府は「(発生の)有無も含め、いつどこでどのような対応が行われたかを示すことは安全保障上のぜい弱性を自ら明らかにする」こととなり、類似事案を誘発しかねないとして回答を避けた。

 こうした政府姿勢には批判も挙がった。立民の篠原豪氏は、安保上のリスクを理由に国会への情報提供が行われないことがまかり通れば、「統帥権が独立しているから国会は軍に関与できないという戦前の理論とどこが違うのか」と疑問視し、丁寧な説明を求めた。

 赤嶺氏は、21日の質疑で政府側が対象区域内の土地で防衛施設などへの機材の搬出入を阻止する行為を継続的に行った場合「法案に基づく勧告、命令もあり得る」と答弁したことに関し、質疑した。内閣官房は、道路のような所有も賃借もしていない土地で座り込みを行う場合は「勧告・命令の対象とはならない」と述べた。