【速報】カヌー當銘孝仁、初の五輪代表 カナディアン1000m選考制す


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日本代表合宿で練習を積む當銘孝仁(右)。左はペアで東京五輪を目指していた大城海輝=1月、宜野座村の漢那ダム。

 カヌー・スプリントの東京五輪代表選手選考会が30日、石川県の木場潟カヌー競技場で行われ、男子カナディアンシングル1000メートルに出場した沖縄県出身の當銘孝仁(28)=沖縄水産高―大正大出、新潟・三条市スポーツ協会=が頂点に立った。タイムは4分1秒343。2位と3秒635差をつけた。日本連盟の選考基準を満たし、開催国枠で自身初の五輪代表を確定させた。

 カヌー競技で県勢がオリンピックに出場するのはソウル(1988年)、バルセロナ(92年)に2大会連続で出場した當山克也さん以来、2人目。

當銘孝仁=1月、宜野座村の漢那ダム(大城直也撮影)

 當銘は糸満市出身。中学の頃から毎年旧暦の5月4日に行われる「糸満ハーレー」に親しみ、沖縄水産高でカヌーを始めた。2010年に地元沖縄で開催された全国総体「美ら島総体」のカナディアンシングル500メートルで優勝。一つ違いの後輩、大城海輝(三重県スポーツ協会)と組んだ同ペア200メートルでも準優勝を飾った。高校時代にジュニア世界選手権の日本代表にも選ばれ、国内トップを走り続けてきた。

 東京五輪に向けては当初、大城と共にカナディアンペア1000メートルでの出場を目指していたが、優勝すれば代表に内定していたアジア予選(今月5日、タイ)で1位とわずか0・172秒差の2位に終わり、ペアでの五輪出場の可能性が消滅。直後のインタビューでは「(大城は)同じ沖縄出身で、同じ高校。2人で出たかった」と無念さをにじませたが、代表選考会に向けて「期待してくれている人たちのためにも最後まで頑張りたい」と気持ちをたき付けていた。