沖縄県は1日午前、小学校入学前の子どもや保護者の生活実態や支援ニーズを把握するため、1歳と5歳の保護者を対象に実施した未就学児童調査の結果を発表した。新型コロナウイルスの流行により、世帯収入が減り、低所得層では「5割以上減った」が10%を超えるなど、影響を大きく受けている現状が浮き彫りとなった。さらに収入の減少幅が大きいほど、保護者の抑うつ傾向が高いことも分かった。
世帯の手取り収入を世帯人数で調査した「等価可処分所得」では、127万円未満を低所得層Ⅰ、127万以上190.5万円未満を低所得層Ⅱ、190.5万円以上を一般層と分類。1歳と5歳児合計の低所得層Ⅰは22%で、前回調査(2017年)より1.3ポイント減少した。
新型コロナが流行した2020年2月以降、世帯収入が1割以上減少したのは1歳と5歳の一般層では約2割だったのに対し、低所得層Ⅰでは約6割など顕著だった。特に「5割以上減った」は1歳、5歳ともに10%を超えるなど、公的支援が必要な現状も浮き彫りとなった。
また、ふたり親より、ひとり親の方が影響が大きかった。
新型コロナは保護者の抑うつ傾向にも影響を与えている。世帯収入が3割減った1歳の保護者は10.2%、5歳では8%で、重度抑うつ・不安障害相当だった。
過去1年間に子どもを病院に受診させなかった理由でも、「新型コロナの感染を心配した」が1歳、5歳ともに6割を超えており、子どもたちの健康面にも影を落としている。
調査は2020年9~10月に実施。有効回答数は1歳が3318件、5歳が3327件だった。