八重山、医療ひっ迫が深刻 「治療が間に合わなくなる可能性ある」


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社
県立八重山病院

 新型コロナウイルスの感染が拡大する石垣市では患者の受け入れ体制も逼迫(ひっぱく)した状態が続いている。八重山地域の新型コロナ対策本部は「今後、治療が間に合わなくなることが起こる可能性がある」として、警戒を強めている。

 石垣市では1日も新たに14人の新規陽性者が確認された。県の発表によると、患者を受け入れる県立八重山病院には、37人の患者が入院している。5月31日にあった八重山地域新型コロナウイルス感染症対策本部会議後の記者会見で、八重山病院の篠崎裕子院長は、同院では酸素投与を必要とする中等症以上の患者の受け入れしかできない状態が続いていると明かした。

 八重山保健所によると31日現在、管内には73人の自宅待機者がいる。この中には無症状者以外にも軽症の患者も含まれる。5月以降、市内で流行しているのは変異株とみられ、患者の症状が以前より重くなっていることも特徴という。これまでにはなかった、酸素投与が必要な20~30代の若者の患者も出ている。

 対策本部は「重症者が増えると、関西で起きたように入院できない、治療が間に合わないということが起きる可能性がある」と認識を示しており、さらなる感染拡大を防ぐために市民らに注意を呼び掛けている。