冷蔵庫は空っぽ、電気が止まった家も…コロナ禍、支援者が見た現状<沖縄県未就学児調査>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
支援者からの食料などの寄付を受け取るゴージャス理枝さん(右)。箱が積み上がった倉庫も「もうすぐ空になる」と話す=那覇市のビューティーサロンゴージャス

 「連絡してくる大人はだいたいみんな1日1食。冷蔵庫は空っぽで、電気が止まった家もある」。本島全域の母親たちからSOSを受けて、食料や日用品を配達して回る「女性を元気にする会」代表のゴージャス理枝さん=那覇市=は、コロナ禍が長期化し、厳しさを増す現場の様子を語る。

 エステやネイルのサロンを経営する傍ら2015年に活動を始め、現在支援する女性たちは10代から60代まで約400人。寄付された麺類から缶詰、粉ミルク、お菓子、トイレットペーパーまで家族の人数分の食料や日用品を約2週間分、段ボール箱に入れて配達する。緊急度合いに応じて先週は遠くは今帰仁まで約20軒を回ったが、配達待ちはまだ80軒以上ある。

 食料配布を通して家族とつながり、行政や必要な支援制度につなげるため、家族構成や抱える問題も聞き取る。ひとり親は以前から多かったが、ここ2~3カ月は「コロナで困っている人がほとんどで、夫婦も多い」。特に建設業で日雇いで働く夫の仕事が激減したという世帯が目立つという。「貯金を切り崩し、わずかな給料に給付金を足して持ちこたえていたが、いよいよ厳しくなった世帯が増えている」とみる。

 食料が必要な人の中には、生活保護や障害年金など一定の給付を受けている人もいる。仕事の減少に加えて、コロナの休校などで自宅での食費が増える、家にこもりがちになり精神状態が悪化するといった間接的な要因で、なんとか保っていた生活が崩れてしまうのだという。

 「女性たちに自立して輝いてほしいと活動してきたが、苦しい人があまりにも多い」。食品の段ボールが積み重なった倉庫の前で「これだけあってももうすぐ無くなる」と話した。