陸上自衛隊のCH47輸送ヘリコプター1機が2日午後2時すぎ、沖縄県宮古島市上野野原の航空自衛隊宮古島分屯地に着陸した。中身は弾薬とみられ、誘導弾(ミサイル)が含まれている可能性もある。弾薬類は今後、陸路で同市内の保良訓練場に運び込む。自衛隊は5月17日以降に地対空ミサイルや地対艦ミサイルを運び込む意向を地元の宮古島市に伝えており、早期にミサイル部隊の活動を本格化させたい考えだ。
弾薬を載せたとみられるヘリ2機は6月2日正午ごろ、那覇基地にいったん着陸した。関係者によると、九州の自衛隊施設から来て宮古島へ向かうために給油などを受けた。那覇基地からはもう1機が午後2時半ごろ離陸した。宮古島へ向かっているとみられる。
保良訓練場は、市上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地に配備されている地対艦・地対空ミサイル部隊の弾薬を保管する目的で2019年から建設が始まり、20年4月までに建設予定の弾薬庫3棟のうち2棟が完成した。
防衛省は5月13日に宮古島市を訪れ、同訓練場への弾薬の搬入を口頭で報告していた。搬入日や弾薬の種類など詳細は説明していない。報告を受けた座喜味一幸市長は「市民の安全確保」を理由に詳細の公開を求めていたが、防衛省はこれに応じず搬入した。
宮古島へのミサイル弾薬搬入を巡っては19年に、ミサイルは置かないとしていた駐屯地内の「保管庫」に、迫撃砲の砲弾や中距離多目的ミサイルの弾薬が持ち込まれていたことが判明。当時の岩屋毅防衛相が「(地元への説明が)不十分だった」と謝罪し、防衛省が弾薬類を島外へ搬出する事態となっていた。