壺屋の名工として知られる故・島常賀氏の制作で、那覇市寄宮にある那覇教育会館に設置されていたシーサーが、会館に入居する県教職員組合(沖教組)の那覇支部組合員らが知らない間になくなっていた。同支部は那覇署に被害届を出し、報道で伝えられた翌日の2日、持ち去った70代男性が名乗り出て、同支部に返却した。
沖教組那覇支部の澤岻優子書記長は「(シーサーは)会館と教職員の活動を見守ってきた象徴だった。無事戻ってきてよかった」とほっとした表情を見せた。
那覇教育会館は老朽化に伴い取り壊し中。沖教組那覇支部によると、5月29日、解体業者が玄関の庇(ひさし)の上に設置していたシーサーがなくなっていることに気付いた。なくなる数日前には、男性が会館を訪れて「許可を取ってあるから後で(シーサーを)取りに来る」と解体業者に告げていたという。
那覇支部が被害届を出し、返却を求めていることが報道で伝えられた後、男性がシーサーを返却した。
戻ってきたシーサーは左耳が欠けていた以外、大きな損傷はなかった。シーサーは今年4月ごろ、那覇市立壺屋焼物博物館にシーサーの写真を見せたところ、名工・故島常賀氏の作品であることが分かったという。