県不動産鑑定士協会(高平光一会長)は3日、2020年11月~21年5月の不動産市況の調査結果を発表した。地価動向の業況判断指数(DI)は、住宅地が半年前の前回調査比で4・1ポイント上昇のマイナス5・0、商業地は同8・4ポイント下落のマイナス28・7、軍用地は同6・5ポイント下回るマイナス41・4だった。
調査は半年ごとに実施。全種別でマイナス値は3回連続となり、新型コロナ感染症拡大のあおりを受けた厳しい現状が続いている。
住宅地は、那覇市周辺部と本島南部、先島地区でプラスで、他の地域はマイナスとなり、ばらつきが見られた。前回調査でプラスだった那覇市小禄地区や本島北部は20ポイント以上下落した。
商業地は、前回調査でプラスだった本島北部、本島南部、先島地区も下落に転じ、全てのエリアでマイナスとなった。地価下落の実感が、県内全域に広がっていることを表す結果となっている。
軍用地は全地域でマイナス。前回調査より改善した地域も見られたが、DI値が最も高い那覇市周辺でもマイナス35・1と、現状を厳しく見る向きが強い。
今後半年間の地価動向について、住宅・商業地でマイナスが強まり、一方で軍用地は下落感が弱まると予想している。
取扱件数の動向は全種目でマイナスとなったが、前回調査との比較では減少感が弱まった。半年後は宅地、戸建がプラスに転じると予想している。賃貸動向は全種別で上昇。半年後は共同住宅賃料・稼働率が上昇し、一方で店舗等賃料・稼働率は下落感が強まると、傾向の異なる予測を示した。
高平会長は取扱件数の動向などを指摘し、「全般的にコロナの影響を受けていると見られるが、改善している部分も見られる」と分析した。
今回の調査では、地域区分についてこれまでの「離島部」を「先島地区」に変更し、先島以外の離島町村は「本島北部」に含めている。調査結果は県不動産鑑定士協会のホームページに掲載されている。
※注:高平光一氏の「高」の字体は「はしごだか」