重症者や死亡者を減らすために、高齢者と医療介護従事者への接種が急がれている。その後は感染拡大の抑止を目的として、接種が進められることになる。
感染拡大の状況は地域ごとに異なる。例えば、離島では本島を訪れる機会のある人にリスクが考えられる。那覇であれば、若い世代を中心として流行が続いている。優先的に接種を進めるべき対象について、各自治体で判断してほしい。
接種の順位を決める際、首長や行政が一方的に決定することはあってはならない。専門家の意見や疫学情報などを踏まえつつ、地域住民とのコンセンサスが得られるよう決定することが大切だ。老人会や患者会、あるいは若者たちが組織する団体などと対話することも検討してほしい。
特に若者たちへの接種は、本人たちのためというよりは地域を守るために、協力してもらうという側面もある。地域住民の理解と納得のもと、各自治体で接種順位を設定することが必要だ。
(県立中部病院感染症内科)