夏の県高校野球延期…休校、部活も中止 沖縄の球児たちは今


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夏の選手権沖縄大会に向け、汗を流す具志川商ナイン=4日、同校

 夏の全国高校野球選手権沖縄大会の再延期が5日、決まった。新型コロナウイルス感染拡大で県立高は20日まで臨時休校となり、部活動自体が中止に。春季大会後、対外試合も組めていない状況だ。新たな大会日程は7月3~18日の超短期決戦。夏に警戒される熱中症はもちろん、感染症対策も加わり、例年以上に健康面への配慮が必要となる。

 選抜大会に初出場し、九州大会で初優勝した具志川商は4日、休校期間直前の時間を惜しむように練習が進んでいた。「ベースの手前でスピード緩めるな」「あれくらいの打球なら止まれ」。機動力自慢のチームで走塁練習に激しいげきが飛ぶ。アップを早々に切り上げると、紅白戦で実戦感覚を養った。喜舎場正太監督は「1分1秒でも良いから実戦的な練習で、モチベーションを切らさずに挑んだところが勝利をつかめる」。選手たちは、互いに指示を出し合い、修正を重ねていた。

 過密日程の影響も懸念される。練習不足などもあり「ワンサイドゲームや四死球の増加、投手の球数制限も出てくるだろう」と喜舎場監督。こうした状況を想定し、登録メンバー選定にも頭を抱えている様子だ。

 練習が十分にできないことで選手の焦りも見て取れる。例年なら大会1カ月前にはほぼ固まっているフォームの大幅な修正をしようとする選手も一部いるという。ただ、粟國陸斗主将は「焦りもあるけど、どこも同じ状況。個々が集中を切らさず今できることをやるだけ」と前を向いた。