プロボクシングの男女タイトル戦が7日、東京の後楽園ホールで行われ、日本ミニマム級タイトル戦で同級1位・仲島辰郎(平仲BS)が王者・谷口将隆(ワタナベ)に挑み、健闘及ばず負傷により5回TKO負けを喫した。女子日本バンタム級王座決定戦では、同級3位の平安山裕子(平仲BS)が同級1位の谷山佳菜子(ワタナベ)と戦い、偶然のバッティングによる負傷を受け、4回途中での判定負けとなった。
初のタイトルマッチで勝利を目指した仲島辰郎(平仲BS)だったが、日本王者の壁は厚かった。
出だしは互いに見合う展開。サウスポーの王者・谷口(ワタナベ)との間合いを測りながら、攻め込むチャンスをうかがったが、次第に王者のペースになっていく。
ジャブを浴びると足が止まり、相手の巧みな連打を浴びた。2回に偶然のバッティングで目の上を切ると、その傷を狙われて出血が目に入り「消極的になってしまった」と、本来の攻めの姿勢が出せなくなった。
結果的にこの出血が致命傷となり、5回にはレフェリーが試合を止めた。
「谷口選手が技術面で一枚も二枚も上だった。自分の力が出せたのも2回まで。その後は焦ってしまった」と念願のタイトルマッチは本領を発揮できず、悔しさが残るものとなった。
ただ、反省点ばかりではない。「相手のパンチのキレやパワーは、それほど感じなかった」と振り返る。それだけに「もっとディフェンス力を高め、より強い気持ちが必要」とリベンジへ課題を見据えた。(普久原裕南首都圏通信員)
負傷で続行不可能に/平安山「不完全燃焼」
日本王座を懸け、後楽園のリングに上がった平安山裕子(平仲BS)だったが、左目の上を切り、4回途中での無念の判定負けとなった。上背とリーチを生かして戦うスタイルの谷山(ワタナベ)に、序盤から距離を取られて懐に飛び込めず、攻めあぐねた。
それでも相手の鋭いジャブをかいくぐり、接近戦に持ち込むとボディーを見舞ういい場面もつくった。しかし自分のリズムをつくろうと距離を詰めたことが、偶然のバッティングにもつながり、試合続行は不可能となった。
「最後までやりたかった。不完全燃焼です」と悔しさをにじませた平安山。それでも「気持ち的には落ちていない。練習しかない」と再起を期した。
◇ボクシング(7日・後楽園ホール)
▽日本ミニマム級タイトルマッチ10回戦
谷口将隆(ワタナベ)47・5キロ TKO 5回1分35秒 仲島辰郎(平仲BS)47・5キロ
▽日本女子バンタム級王座決定戦6回戦
谷山佳菜子(ワタナベ)53・5キロ 負傷判定 4回1分0秒 平安山裕子(平仲BS)53・1キロ