基地内従業員のワクチン希望者接種へ 政府が方針 米側の補償制度が適用


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 【東京】政府は9日までに、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、在日米軍基地で働く日本人従業員のうち希望者へのワクチン接種を米軍が実施することを認める方針を固めた。米側による接種は日本の予防接種法の対象とならず、副反応が出た場合の補償が課題だった。米側の類似制度を日本人従業員に適用することとし、日本側制度と比較した差額分を日本政府が負担する方向で詰めの調整を行っている。政府が近く発表する。

 米側はすでに軍内部の接種を進めており、日本政府が認め次第、日本人従業員への接種を速やかに始めたい考えだ。

 ワクチンは米モデルナ製を使う予定だ。日本でも5月に承認されており、自衛隊が東京と大阪で設置した大規模接種センターで使われている。

 基地従業員へのワクチン接種を巡っては昨年12月、在日米軍が一部米軍基地で働く日本人従業員で接種希望者を募っていた。だが、当時まだ国内で認可されていなかったワクチンの接種で副反応が出た場合、労災補償が適用されないなどの課題が指摘され、米軍は接種を見送った。

 一方、県内の基地従業員のうち医療従事者を対象とした優先接種は日本の制度の下で5月14日から始まった。一般の基地従業員は日本の制度では優先接種の対象とならないことから課題となっていた。