舞台の魅力、生き生きと 緑間バレエ 「くるみ割り人形」全幕上演


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
天使や雪の精らと踊るクララ役の前田奈美甫(手前左)と王子役の緑間玲貴(同右)=5月30日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホール

 緑間バレエスタジオ(緑間貴子代表)の第15回発表会「スタジオ・パフォーマンス2021」が5月30日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールであった。貴子代表や緑間玲貴、前田奈美甫ら教師や生徒、ゲスト、賛助出演者ら総勢約100人が「くるみ割り人形」全幕(貴子、玲貴=演出、改訂振付)を初演した。豪華絢爛(ごうかけんらん)な演出の下、生徒たちらがおとぎの世界の物語を生き生きと踊り、舞台芸術の魅力を届けた。

 くるみ割り人形は、スターバウム家の末娘クララ(前田)がもらったくるみ割り人形が王子(玲貴)に変身、さまざまな夢物語を描く。

 第1幕は盛大なクリスマスイブのパーティーが始まると、クララや友達たちがさまざまなプレゼントを受け取り、にぎやかに踊って喜んだ。ドロッセルマイヤー(佐々木源蔵)の魔法の力で次々と人形劇を披露。コロンビーヌ(貴子代表)ら人形がかわいらしく踊り観客の拍手が鳴り響いた。

 ネズミたちとおもちゃの兵隊たちが激しく戦い、くるみ割り人形(玲貴)とネズミの王様(田原雅之)が一騎打ちとなった。隙を見つけたクララが、ネズミの王様に靴を投げつけ勝利すると、くるみ割り人形の魔法が解け、凛々(りり)しい王子が現れ、クララと喜びの舞を披露した。雪の精たちの群舞も圧倒した。

「くるみ割り人形」1幕より人形のコロンビーヌ役の緑間貴子代表(手前右)とドロッセルマイヤー役の佐々木源蔵(同左)

 第2幕では、お菓子の国の女王(貴子代表)がクララのためにお菓子の精たちを招く。大きなスカートを履いたマダム・ギゴーニュのスカートの裾から登場したキャンディ・ボンボンの子どもたちや、くるみたちの踊りもそれぞれに工夫が凝らされ、愛らしい演出だった。花のワルツのソリスト(儀間紋莉)らのコール・ド・バレエも魅了した。

 最後は金平糖の精になったクララと、王子の息の合ったグラン・パ・ド・ドゥが披露され、舞台を盛り上げた。終演には、出演者が一体感を感じる舞を披露し、観客からは惜しみない拍手が送られた。

 ゲストに劇団シアターテンカンパニーの役者も出演した。第1部は出演者全員による「グラン・デフィレ」で幕開けをし、小品集を4演目披露した。

 公演は新型コロナ感染防止対策が施された。 (田中芳)