10日午後4時46分、沖縄県うるま市などにある米軍の「陸軍貯油施設」の金武湾第3タンクファームで消火用水が流出した。沖縄防衛局などによると、有害性が指摘されている有機フッ素化合物のPFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)を含む水が、大雨の影響でうるま市昆布周辺の基地の外へ流れ出たとみられる。米側が日本政府に伝えたのは翌11日夕だった。
濃度は不明だが最大650ガロン(約2460リットル)が出た可能性がある。うるま市職員によると、流出した可能性がある市昆布の排水路は天願川につながっている。天願川は、県が過去に実施した調査で高濃度の有機フッ素化合物が検出されている。
防衛局は11日夕、県やうるま市、金武町、関係漁協に報告し、米側に安全管理の徹底と再発防止に加え、速やかな通報を申し入れた。外務省は11日、米側に遺憾の意を伝えた。防衛局や市、県警が現場を確認した。
本紙は米軍に詳細を問い合わせているが11日午後10時現在、回答はない。
陸軍貯油施設はうるま市と沖縄市、嘉手納町、北谷町、宜野湾市に分散している。昨年4月には、米軍普天間飛行場から有害性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が流出した。