「証拠隠滅と同じだ」米軍の通報遅れに住民か怒り うるま市のPFOS流出


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米軍の「陸軍貯油施設」内で米軍関係者らの説明を聞く国や県、うるま市職員ら=12日午後、うるま市昆布(ジャン松元撮影)

 【うるま】沖縄県うるま市昆布の米軍施設内から、有害性が指摘される有機フッ素化合物PFOSなどを含む消火用水が流出した事故を受け、周辺住民からは「米軍に生活を振り回されている」と怒りや不安の声が上がった。

 現場に駆けつけた市仲嶺の自営業・照屋勝則さん(66)は、流出のあった貯水槽を見て「またか」とあきれかえった。津堅島への米軍ヘリ不時着もあったばかり。県や市への通報が遅いことに「証拠隠滅と同じだ」と憤った。

 昆布や天願地域では米軍が過去にも油などを流出させ、地域の環境を汚染した。照屋さんは「声を大にして基地撤去を叫ばないといけない」と強調した。

 流出現場から約300メートルの場所に住む60代の女性は「なぜこうも米軍に生活を振り回されないといけないのか」と嘆く。消火用水が流れたとされる排水路が、天願川に合流することに触れ「健康に影響があったら心配だ」と語った。

 流出のあった米軍の貯水槽は、県道74号から見える位置にある。12日、市民らが不安げに基地内の様子を見ていた。県職員らは現場からつながる基地外の排水路を探して水を採取した。米軍の憲兵隊が現れ、基地の近くに車を止めている市民に質問したり、報道関係者らの腕章に書かれた社名をメモしたりする様子もあった。

 うるま市島ぐるみ会議は14日午後5時、流出現場周辺で緊急の抗議集会を開く。