沖縄県うるま市昆布にある米陸軍貯油施設金武湾第3タンクファームから、泡消火剤を含んだ汚染水が流出したとの通報を米側から受けた問題で、日本政府と県、うるま市は12日午後、日米間の「環境補足協定」に基づいて基地内に立ち入り、現場を視察した。
米軍は日本側に、大雨の影響で消火用貯水槽があふれ、有害性が指摘される有機フッ素化合物のPFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)を含むとみられる汚染水が、排水路に流れたと説明した。貯水槽内に雨水が入り込んだのは「施設の老朽化」が原因との説明だったという。
米側は流出量を28・3~2460リットルと推計しているが、実際の量や汚染の濃度は把握できていない。沖縄防衛局によると、米軍はPFOSの流出量を「ごく微量」「普天間飛行場で昨年流出した濃度に比べれば、ごくわずか」と説明した。
県は同日、天願川につながる基地周辺の水路や川の計5地点で調査のための採水をしたが、基地内の水や土のサンプル採取は行っていない。米軍が進める水の分析結果も踏まえ、今後の調査対応を判断する。
流出が判明したのは10日の定期点検時で、実際の発生はそれ以前だったとみられる。米軍は12日にフェイスブックで「9日の降雨の影響」と発表した。現場に近い観測地点(沖縄市胡屋)の9日の合計雨量は0・5ミリで、8日に同49・5ミリの強い雨が降っている。