【うるま】沖縄県うるま市昆布の米軍施設内から有機フッ素化合物を含んだ汚染水が流出した事故に関し、県の調査で人体に影響を及ぼさないとされる基準値以下だったことを受け、昆布の住民からは安堵の声が上がった。一方で、汚染水が流れ出た排水路が市内を通る天願川へ合流することに対して、不安がぬぐえない様子もあった。
事故現場から約500メートルの距離に住む名嘉山兼正さん(80)は「今回は問題がなくてほっとしているが、米軍施設からの排水が民間地を通ることが問題だ」と語る。その上で、「県は合流先にある天願川の水質調査にもっと力を入れてほしい」と強調した。
昆布自治会の與古田敬子会長は、事故翌日に天願川で釣りを楽しむ子どもたちの姿があったことに触れ「数値が低かったのはひとまず良かったが、周囲には民家もある。二度とこんな事故があってはならない」と話した。うるま市島ぐるみ会議の宮城英和事務局長は「大雨で流れてしまえば、PFOSなどは検出されなくなるのではないか。調査結果の数字をそのまま信じるわけにはいかない。濃度が薄まった可能性がある」と指摘した。