「自由脅かされる」「恐ろしい国になった」土地規制法成立に市民ら懸念


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辺野古新基地建設に反対する市民らが座り込みなどの抗議活動を続ける米軍キャンプ・シュワブのゲート前=15日、名護市辺野古

 「今回受けた捜査は法案成立後の社会を暗示してるのかもしれない」。東村に住むチョウ類研究者の宮城秋乃さんは、米軍北部訓練場の返還地で見つかった米軍廃棄物の問題を調査・告発している。

 米軍の物とみられる廃棄物を同訓練場のメインゲート前に置いたことで4日、米軍らの通行を妨害したとして威力業務妨害の疑いで県警の家宅捜索を受けた。宮城さんは「法は権力にあらがう市民を縛るものではない」と強調。「現行法でさえ私が受けたように、市民の行動が権力によって抑え込まれてしまう。権力に利することが前提の法はあってはならない」と語気を強めた。

 宮古島市城辺保良の陸上自衛隊「保良訓練場」前で座り込み抗議を続けているミサイル・弾薬庫反対住民の会の下地博盛共同代表は「よくこんな法を通せるものだ。恐ろしい国になった。絶望だよ」とため息交じりで話した。

 どのような行為が機能阻害行為にあたるのか、具体的に示されていない点を挙げ「時の政権の思惑次第で行為認定される。私権制限も甚だしい。独裁国家と同じだ」と強く批判した。

 石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画に反対する「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」の金城哲浩共同代表は「今までのように基地反対などの批判が自由に言えない状態になるのではないか。民主主義が脅かされることを懸念している」と語り、強い危機感を示した。