「県民も足運んで」 豊見城市・旧海軍司令部壕 コロナ禍で見学激減


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 新型コロナウイルスの影響で沖縄を訪れる観光客や修学旅行が激減し、豊見城市の旧海軍司令部壕も苦しい運営が続いている。2020年の見学者は3万3046人と、19年(12万7701人)の約4分の1に落ち込んだ。施設の関係者は「県民にも足を運んで、力を貸してほしい」と語る=写真。

 司令部壕は1970年に一般公開が始まった。壕内は約350メートルあり、兵士が手りゅう弾で自決した際の破片の跡などが生々しく残る。見学者数は79年がピークで49万3582人。2010年(16万7千人)以降は緩やかに減少し、18年に15万人を割り込んだが、新型コロナで一気に減少した。

 昨年、50周年事業で壕内部の「4K3Dパノラマ映像」をホームページで公開した。オンラインのリモート講話を組み合わせ、コロナ禍の平和学習に活用されている。旧海軍司令部壕事務所の屋良朝治所長(62)は「コロナが落ち着けばいつでも受け入れられるよう、つなぎとめたい」と話す。

 屋良さんは「ウチナーンチュでも、司令部壕が当時のまま残されていることを知らない人は少なくない。ぜひ足を運んで参観してほしい」と呼び掛けた。