「収束するなら」「ワクチン対応遅い」緊急事態延長、沖縄県民の理解と疑念


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 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言について、政府は沖縄県で延長する方針を固めた。県民から「早く収束させられるなら賛成だ」と歓迎する意見があった。一方で「陽性者が減るのか疑問だ」と効果をいぶかる声もあった。ワクチン接種が進まない状況を批判する人もいた。

 宜野湾市の新崎美智子さん(57)=自営業=は「早く収束するのであれば延長は賛成だ」と理解を示す。その上で「飲食店の支援体制とワクチンの接種体制を整えてほしい。国際線が回復した時のため、行政に空港での水際対策も強化してほしい」と求めた。

 延長に理解を示すのは、名護市久志区の棚原憲栄区長(63)。「宣言解除はまだ早い。もう少し我慢した方が感染を押さえ込めるのでは」と慎重な姿勢を見せた。市内で連日感染者が出ており、区民の約半数は65歳以上の高齢者。「ワクチン接種は順調だが油断できない。みんなあまり他の区などに出掛けないよう気を付けている」と語った。

 「宣言が明ければお酒も出せるかと思っていたので正直きつい」と話すのは石垣市の焼肉店店長、橋本敬幸さん(38)。市独自の非常事態宣言が15日に終了した。「店は午後8時まで開けているがお酒も出せず、地元客はほとんどいない。石垣島は感染者が多いので延長は仕方ない」と話した。

 豊見城市に住む女性(33)は、延長に賛成しつつも「延長しても、陽性者が減るかは疑問」と首をかしげる。「ワクチンの接種も進んでおらず、国も県も対応が遅過ぎる」と批判した。