最高峰ワサビ栽培、沖縄で挑戦 西原に植物工場 気温や水質の不利克服へ


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植物工場で栽培されるワサビ株(提供)

 ワサビの自動栽培に取り組むアグリテックベンチャーのNEXTAGE(東京都、中村拓也社長)が、植物工場でのワサビの試験栽培と出荷を目的とした施設「沖縄R&Dセンター」を西原町我謝に開設し、15日から本格始動した。ワサビの試験栽培は県内初。

 同社は、どのような環境下でも自然栽培と同等品質で植物工場栽培が行えるようになると考え、温暖な環境や水質がワサビの栽培に適さないという沖縄で、実証実験に乗り出した。植物工場を活用し、さまざまな環境下でワサビの栽培が行えるか技術検証するほか、遠隔栽培ソリューションの開発と実用化も目指す。

 同社は日本のワサビを守るとともに、新たな市場創出をにらみ2019年から屋内の人工光を活用した栽培に取り組んできた。一定の品質確保と栽培期間に短縮のめどが立ったとして、冷涼な環境を好み、気温や水温が適温でないとうまく育たないという真妻ワサビ100株を沖縄R&Dセンターで育てている。

 今後、数カ月の成長度合いを判断した上で、5千株程度の栽培環境を作り、5年以内で約10万株の出荷を目指す。

 中村社長は、約2年間の試行錯誤で栽培技術が進歩したとし、「沖縄から国内最高峰の真妻ワサビを国内はもちろん、海外にも届けられるようになることに期待したい」と述べた。