琉大の「謎の鐘」 情報提供求める 風樹館10年前から保管


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
1950年代の数年間、琉球大男子寮で一時的に使用されていたとみられる“謎の鐘”=5月26日、西原町の琉球大学博物館「風樹館」

 琉球大学博物館「風樹館」が、大学に残る“謎の鐘”の情報を求めている。鐘は風樹館の「開学の鐘」横に展示されている。

 1950年代の数年間、那覇市首里(当時)の同大男子寮で、一時使用されていたとみられる。大学開学から時を知らせた「開学の鐘」とは違い、資料がほとんど残っていない。約10年前から風樹館に保管されているが、それ以前はどこで誰が保管していたのかなど、詳しいことは分からない。

 鐘は大学で撮られたいくつかの写真に写り込んでいる。52年7月1日から55年6月30日まで第2代学長を務めた胡屋朝賞氏が、首里の旧本館前で米軍関係者と握手して写っている写真には、入り口の左側に櫓(やぐら)につるされた状態で、はっきりと写っている。53年ごろに旧本館を上空から撮った写真にも、同じ場所に櫓(やぐら)を確認できる。しかし55年の写真では、櫓(やぐら)はない。

 同大学副学長の牛窪潔さんは「大学の歴史的な資料であることは間違いない。知っている人は情報を寄せてほしい」と話した。