「見合わぬ金額」「チェック機能なし」 コロナ協力金、分配に不公平感 


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 新型コロナウイルス感染拡大に伴う沖縄県への緊急事態宣言発令は、7月11日まで3週間の延長となり、県内の飲食店には再び休業や時間短縮営業が求められる。飲食業関係者の中には協力金分配の不公平性や、県による巡回指導の機能を疑問視する声も根強い。

 「『協力金バブル』だと言って、浮かれながら手続きに来る経営者が多くて、内心あきれている」。沖縄本島で協力金の申請代行をする飲食業関連組合の男性理事は、ため息をつく。

 休業要請に応じた事業者の規模に応じて県が支給する協力金は、1日の売上金が10万円以下の店舗には一律1日4万円が支払われる。男性理事の住む自治体ではほとんどが個人経営や小規模店舗で、4万円に満たない店も多いという。

 申請者の中には営業実績がほとんどない店や、要請に応じていない事業者も紛れているという。一方で、飲食店休業のあおりを受け、資金繰りも逼迫(ひっぱく)しやすい酒屋や運転代行業者には支援が行き届いていない。

 男性理事は「行政が決めた制度だから仕方がないが、見合わない金額が支払われたり、チェック機能がなかったり不必要、不公平な点が多い」と言い切る。財政負担の軽減のためにも、小規模店舗向けの協力金の適正化や、対象範囲の見直しを訴えた。

 県は11日に、時短命令に応じていない68店舗を公表した。これに対し、本島中部でスナックを経営する女性は「この辺にも営業している店はあるのに、(公表店舗に含まれず)指導を受けていない。罰則すらないのは不公平だ」と、不満を隠さない。

 県の担当者は取材に対し、時短命令に応じない店舗の巡回指導について「ランダムに県内全域を回っているのではなく、主に通報をベースに実施している」と説明。11日に公表した非協力店の所在地に偏りがあることを認めた上で、調査は継続しているとし、「県内全域の約40店を、非協力店として追加公表する」と述べた。