いまどきの父の日は…コロナ緊急事態で変化 父親には厳しい反応も


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠
父の日を前に人気のかりゆしウエアを用意する大湾宗和店長=19日、那覇市牧志の大湾洋服店(喜瀨守昭撮影)

 20日は何の日?―。

 正解は「父の日」。例年は県内量販店でプレゼントを選ぶ人でにぎわうが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止で土日休業の大型商業施設も多い。街中ではプレゼントを贈る予定と声が上がる一方、「忘れてた」「母の日と比べ特別感がない」と、父親の期待に反し手厳しい意見も聞こえてくる。 

 大学生の女性(20)=那覇市=は「きょう(19日)が父の日だと思っていた」と買ったばかりのケーキを見つめ苦笑い。友人の女性(20)は「忘れてたし、毎年特に何もしていない」と関心が薄そうだ。

 那覇市内の女性(38)は、父の日は実家で父が大好きなお肉を一緒に食べるのが恒例だ。だが「母の日はプレゼントを買うし、ちゃんと祝おうという気持ちがある。父の日はそうでもないかな…」とだんだん声が小さくなった。

 デート中だった女性(19)と男性(19)。記者が「20日は何の日でしょうか」と聞くと男性は答えが出ず、女性が「父の日」と正解を導き出した。2人は「父の日は母の日と比べると特別感がない。テレビでも母の日の話題は多いけれど、父の日はほとんどないし」と、父の日の忘れやすさは全国共通の問題だと強調。「家ではお母さんの存在が大きいから」と家庭における父親の存在感の薄さが要因だと分析した。2人ともプレゼントを贈る予定だという。

 那覇市の国際通り沿いにある老舗の大湾洋服店。1927年に始業し、55年に現在の店舗がある市牧志に移った。店内にはかりゆしウエアやシャツが並ぶほか、オーダーメードでスーツを仕立てている。長年の経営で父の日の流行も見える。大湾宗和店長(70)は「20年前まで父の日の贈り物はネクタイやネクタイピンが定番だった。今はかりゆしウエアを買う人が多く、歴史が変化している」と語った。