PFOS・PFOA基準超え 米軍流出現場の下流、うるま市調査


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うるま市役所

 【うるま】沖縄県うるま市の米陸軍貯油施設から泡消火剤を含む汚染水が流出した事故で、うるま市は21日、事故現場周辺の3カ所で採水した水質の調査結果(速報値)を発表した。有害性が指摘される有機フッ素化合物PFOS、PFOAの合計値が、発生現場下流の天願橋上流接続水路で、1リットル当たり130ナノグラムと、環境省が設定している暫定指針値50ナノグラムを上回った。

 同地点は県の調査で以前から指針値超えの数値を出しており、市は「今回の事故との因果関係は分からない」としている。

 市は事故が発覚した11日、県環境部が年2回調査している天願橋上流接続水路2カ所、天願橋1カ所の計3地点から採水した。調査結果では天願橋上流接続水路2カ所のうち、事故現場に最も近い上流地点では合計値1リットル当たり9.7ナノグラム、天願橋は32ナノグラムだった。

 暫定指針値を上回った、下流の天願橋上流接続水路の地点は、2020年度の県の調査で合計値で1リットル当たり210ナノグラムの数値が出ていた。

 うるま市の中村正人市長は「事故現場に一番近い場所は指針値以下だったが、事故の要因であるタンクの撤去などがされない限り、安心はできない。今後も警戒したい」と語った。