点取り屋・池原「全て出し切る」 大けが超え欧州で磨き 女子ハンド五輪代表


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
デンマークリーグの一戦で相手の攻撃を食い止めようとマークに入る池原綾香(右)(提供)

 日本ハンドボール協会は23日、東京五輪に開催国枠で出場する女子日本代表14人を発表し、県出身で右サイドの池原綾香(那覇西高―日体大出、デンマーク・オーデンセ)が選ばれた。その他、主将の原(三重バイオレットアイリス)や司令塔の大山(北国銀行)らが選出された。日本は過去に唯一出場した1976年モントリオール五輪では、6チーム中5位だった。ハンドボール女子は東京の国立代々木競技場で7月25日に開幕し、8月8日に決勝が行われる。今大会は1次リーグでオランダ、モンテネグロ、韓国、アンゴラ、ノルウェーと顔を合わせる。

 日本女子ハンドボール界の先駆者の1人として、2017年から強豪国デンマーク1部リーグで活躍する右サイドの点取り屋、池原綾香。代表発表の記者会見には「競争率の高いメンバー争いの中、選考されたことをうれしく思う。ここまで五輪を一緒に目指してきた仲間の分まで、全てを出し切りたい」と力強いコメントを寄せた。日の丸を背に、世界最高峰の舞台で力強く宙を舞う。

 強みは空中での鋭い得点感覚。157センチと小柄だが、長い滞空時間を使ってGKの動きを観察し、多彩なサイドシュートを打ち分ける。

 海外挑戦2季目には右足の前十字靱帯(じんたい)と半月板の損傷という大けがを負いながら、不屈の精神で復活。強豪ぞろいの欧州でもまれる中で「みんな自分を持っていて、勝負強さがある。学ぶことが多い」と精神面の成長も実感している。

 日本代表のウルリック・キルケリー監督は、池原が所属するオーデンセでも監督を務める。今季、デンマーク1部リーグ優勝に貢献した池原について、指揮官も「ベテランで、長いプレータイムでもいつも通りのプレーをしてくれる」と厚い信頼を寄せる。

 「まずは予選リーグで上位4位以内に入り、準々決勝に進出する。その先に、一つずつ勝利し、最終的にメダル獲得を目指したい」と日本初の表彰台を見据える池原。「大舞台でプレーできることに自信と誇りを持ち、コート上で熱く戦うので、共に戦いましょう」と応援を呼び掛けた。


<略歴>

 いけはら・あやか 左利きの右サイド。1990年9月24日生まれの30歳。浦添市出身。157センチ。牧港小―港川中―那覇西高―日体大出、デンマーク1部・オーデンセ所属。小柄ながら、タイミングをずらしてネットを揺らす点取り屋。小学校で競技を始め、中学で県選抜に。高校では2008年の全国高校総体で準優勝。大学卒業後は日本リーグの三重バイオレットアイリスを経て、17年からハンドボール伝統国のデンマーク1部リーグに挑戦。今年5月には今季から所属するオーデンセの1部リーグ優勝に貢献した。