重量挙げ日本代表の糸数、宮本 沖縄から初のメダル狙う


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東京五輪でメダル獲得を目指す糸数陽一(左)と宮本昌典

 今月、重量挙げで東京五輪代表に内定した男子61キロ級の糸数陽一(30)=豊見城高―日大出、警視庁=と男子73キロ級の宮本昌典(24)=沖縄工高―東京国際大出、同大職=が24日までに、琉球新報の電話インタビューに応じた。いずれも同競技で県勢初のメダル獲得を狙う。内定の受け止めや本番への意気込みを語った。(聞き手 長嶺真輝)


<糸数一問一答>15年積み重ねたことを

Q:2大会連続で代表に内定した。受け止めは。

 「62キロ級だったリオ五輪から階級が1キロ落ち、(選考対象の)この期間は減量回数が多くて大変だったので、ほっとしている。五輪でメダルを取るための練習と試合をしてきたので、内定は最低条件だった。気の引き締まる思いだ」

Q:厳しい状況の中でも内定を勝ち取れた要因は。

 「効率の良い練習に変えたこと。追い込む時は追い込むけど、少しでも状態が怪しいと思ったら練習をやめたり、軽い重量に変えたりした。がむしゃらにやるのでなく、年齢に合わせ、うまく自分の体と付き合いながら練習ができた」

Q:本番まで1カ月間の過ごし方は。

 「まず最低でもけがをしない。あとは競技を始めてから15年間、積み重ねてきたことをやる。強くなろうとするよりも、自分が目標とする数字を挙げることを目標にしたい」

Q:目指す重量は。

 「トータルで302キロを挙げたい。メダルを懸けたラインになる。この数字のもう一つの理由は、過去の自分を超えたいから。リオでは62キロ級で302キロを挙げたけど、階級が下がってからは挙げていないので」

Q:リオは4位でメダルまであと一歩だった。

 「あの時は自分の記録を出すことが目標で、メダルに挑戦できなかった歯がゆさ、自分の弱さを感じた。今回はぶれずに臨みたい」

Q:沖縄で応援してる人にコメントを。

 「自分は沖縄に育ててもらった。感謝の気持ちは忘れていない。メダル獲得で恩返しがしたい」


<宮本一問一答>大舞台で自分の試合を

 

Q:代表に内定した時の心境は。

 「これまでの記録で内定は確信していたけど、率直にうれしかった」

Q:五輪はいつ頃から意識していたのか。

 「競技を始めた頃から身近に(シドニー五輪代表の)平良真理先生とか出場した人がいたので、身近ではあった。高校で、試合で一定の成果が出始めてからは意識するようになった。リオ五輪の最終選考会であと数キロ挙げていれば出られるところまでいって『自分も五輪が目前にある』と思えた。リオは現地で試合を見て『ここに立ちたい』という気持ちになった」

Q:本番まであと1カ月。どう過ごすか。

 「意外とまだ緊張感はない。近づくないに気持ちが入ってくることを自分でも願っている。コンディション調整に不安はない」

Q:73キロ級は中国のトップ選手を除き、宮本選手を含めてだんご状態にある。

 「大舞台だからこそ、周りを気にせずに自分の試合をしたい。トータル350キロを目指している。メダルを取れればいいと思っているけど、それだけ狙っていても目標を見失ってしまう。記録を目標にしている」

Q:沖縄で応援している人たちに一言。

 「重量挙げをメジャーにして、夢のあるスポーツにすることが自分の目標。自分の成長した姿を見て、それをモチベーションに沖縄から世界で戦える選手が出てきてほしい」