在日米軍再編見直し 増強で基地機能強化の可能性 沖縄県は負担増に警戒感 


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 米海兵隊のバーガー司令官は、在日米軍再編の見直しに言及した。高まる中国の脅威に触れ「軍の前方展開が必要」と述べており、在日米軍の増強を指している可能性がある。沖縄県は、在沖米軍基地の縮小に向けた新たな返還計画を作るよう日米両政府に求めている。だが両政府が主導権を握ることで、必ずしも沖縄の負担軽減につながらない恐れや基地機能の強化に向かう可能性もある。

 玉城デニー知事は、日本復帰50年に合わせて米軍専用施設の全国比を「50%以下」とする数値目標を政府に求めている。ただ、具体的な施設の返還要求は示していない。24日の県議会定例会で、県が具体的な返還計画の案を作るべきだとの意見が上がった。

 仲村未央氏(立憲おきなわ)は、1996年に県が独自に策定した段階的な基地撤去計画「基地返還アクションプログラム」などが日米両政府を動かしたと指摘。「(安全保障環境にかかわらず)譲れない県益を示し、復帰50年に向けた1年で県民と計画を作り上げていくべきだ」と訴えた。

 金城勉氏(公明)は「日米で話し合ってくれと投げているだけだ。説得力がない」と批判。返還計画の例として米軍キャンプ・ハンセンとキャンプ・シュワブ、北部訓練場を挙げた。

 県は県の意向を反映させるため、両政府に協議の場を求めると強調。金城賢知事公室長は「経済活動の制約となっている中南部都市圏の基地や労働者の少ない訓練場は、返還を検討する必要がある」と答えた。

 県関係者は具体的な返還計画の案について「県から主張する必要性は否定しないが、タイミングの問題だ。今言うのが得策だと思わない。まずは議論のテーブルに乗せることだ」と強調した。一方で、バーガー司令官の発言に「さらなる負担は到底受け入れられない。見直し内容が固まっていない段階で(負担軽減を求める)県の考えを説明していくことが重要だ」と強調した。 (明真南斗)