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住宅性能表示制度って何? 共通基準で安心取引<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 住宅性能表示制度をご存じでしょうか? 2000年4月1日に施行された法律に基づいて、良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するためにつくられた制度です。国が定めた基準により、国に登録されている第三者機関が共通基準の下に評価することで、住宅の性能を簡単に比較することができるようになりました。

 それまでは「強さ」や「省エネ」などの定義がメーカーや販売会社で異なっていたり、統一された指標がなかったりしたため、住宅機能を比較したり、希望の性能を表示(指定)したりすることが困難でした。この制度により、分かりやすく住宅性能が比較でき、希望する性能を有する住宅を選ぶことができるようになったのです。

 新築住宅の建設時には、「設計住宅性能評価」と「建設住宅性能評価」の2段階の検査があり、検査結果に基づき「住宅性能評価書」が発行されます。本制度の利用により、万が一のトラブルが発生した時にも建築士、弁護士による相談が受けられ、紛争処理機関を申請料1万円で利用することができます。

 国土交通省によると本制度の利用の利用状況は、全国で27・7%(設計住宅性能評価のみ)、本県では9・1%です。全国的に見ても利用度はまだ低い状態ですが、年々増加傾向であり、今後の利用増加により良好な県内の住宅市場形成が期待できます。

 住宅は大切な財産であり、長期的な安心と維持管理のために住宅の建築(購入)を検討している方、既に住宅をお持ちの方は本制度の利用を検討してはいかがでしょうか。

(沖縄銀行ローンFPステーション美里店長 伊敷正和)